U-NEXTで映画『ルージュ』(1984年、那須博之監督)を視聴した。
それは「ルージュ」とタイトルされた一本の裏ビデオだった。コピーにコピーが重ねられた不鮮明な画像に映し出された女の顔は、誰もが息を飲むような美しさだった。女性週刊誌「スコラ」の記者である引田(星セント)とカメラマンの菊地勉(北詰友樹)が、そのビデオを食い入るように見ていた。引田の話によれば、この女はこのビデオをネタにゆすられているらしいとのことだった。編集部ではただちにこの女を取材して記事にすることを決定した。題して「その後のあなた」。女は騙したはずの男と共に暮らしていた。ヒモ同然に女につきまとっていた男は村木哲郎(火野正平)。女の名は土屋名美(新藤恵美)。奈落に堕ちた男と女がそこにいた…。

石井隆による脚本で那須博之監督にとっては日活最後の作品。三十年ぶりに再見したが、凡作の印象は変わらず。製作の山田耕大の著書によれば石井隆と那須博之は打ち合わせの段階から意見が合わなかったらしい。大方の予想通り最後まで向き合わなかった両者から化学変化は起こらなかった。個人的には本作は那須博之監督より池田敏春監督の方が良かったのかもしれない。

